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サクセスに学ぶ

第1回 目指すは毎日新聞の正式キャラクター「なるほドリ」

キャラクターを活用して自社のイメージアップや親近感の育成に成功されている会社にインタビュー。その成功の秘訣をお聞きするシリーズです。
第1回目は毎日新聞の「なるほドリ」。誕生までのご苦心、そして、導入から現在にいたる経緯、周囲の評判などをお聞きしました。

なるほドリ「質問っ!」

「なるほドリ」のプロフィール

なるほドリ「なるほどね」

年齢:永遠に中学2年生。
出身地:東京湾のずっと先に浮かぶ小島の森で生まれ、好奇心のおもむくまま島を飛び出した。
家族構成:両親、兄、姉、そしてなるほドリーマン君の5人家族。なるほドリーマン君は末っ子。
親戚:毎日小学生新聞の「なるほどヒヨコ」と経済面の「なるほドリーマン君」
なりたいことは?:将来になりたいことは「ジャーナリストリ」
幸せな瞬間は?:新聞を読んで「なるほドー」と納得できたとき。
性格は?:好奇心いっぱい!そして、人間の子供たちが大好き。
好物?:大の紅茶党、特種(ダネ)が好き!あとドーナッツ。
日課は?:毎日新聞を読むこと!!
好きな教科は?:体育と音楽、そして社会。
尊敬するトリは?:伝書鳩。
好きな遊びは?:野球、ラグビー、短距離走など。運動神経には自信がある。
好きな色は?:黄色。
好きな動物は?:伝書鳩。犬や猫と遊ぶのも好き。
悩んでいることは?:早く大きくないたいので、苦手な野菜も残さず食べること!
好きな本は?:サン=テグジュペリ「星の王子様」。
座右の銘は?:「なせばなる!なるほドー!」
出没場所?:自由に毎日新聞社内を飛び回っているので、見学に来ると会えるかも知れません。
また、全国各地で開かれている毎日新聞の催しなどで会えることもあります。
毎日新聞での登場は?: 2008年4月1日
身長と体重、飛ぶ速さは?:「ほドほド」な大きさ、速さです。

2008年の紙面改革で「なるほドリ」誕生!

なるほドリ「ありがとう!!」

山科 2008年4月、毎日新聞の紙面改革で、「なるほドリ」のキャラクターが誕生しました。紙面改革とは、毎年4月、10月に紙面のレイアウトを少し変えるたり、連載コーナーを新たにすること。どの新聞社でも行われていることです。
毎日新聞が、紙面をつくる際の基本姿勢は「中学校2年生がわかる記事を書く」ということです。そうした中、日々掲載される記事を「分かりやすく解説するコーナーがほしい」という話が出ました。
でも、分かりやすく書くだけではつまらない。少し親しみやすくしないといけないということで、紙面の改革担当者から出た、キャラクターが質問する形にする案が採用となり、「なるほドリ」が誕生しました。
名前については、「考えるぞー」「教えて!」など、色々なアイデアが出ましたが、最後には「なるほどー!」からきた「なるほドリ」となりました。

なるほドリ「Go!」

かつて活躍した伝書鳩が心のヒーロー!

山科 「なるほドリ」が尊敬するトリは伝書鳩です。伝書鳩は、現在のように電話やインターネットがない頃、また、電話があってもすごく珍しかった時代、新聞記者たちは取材現場から原稿や写真フィルムを、本社の屋上にまで伝書鳩で運んでいました。当時は、取材現場に鳩を2羽、3羽持って行き、原稿や写真のネガを足輪に付けて飛ばしていたのです。でも時々違う新聞社に行ったり、食べられたりしたこともありました。
毎日新聞では1965年、東京オリンピックの翌年まで伝書鳩が活躍していました。鳩の飼育部署(鳩係)もありました。「なるほドリ」にとって伝書鳩が心のヒーローという設定は、日本の新聞の歴史的な事実を伝えたいためです。
「なるほドリ」は、読者に「教えてやるよ」という高飛車な姿勢ではなく、読者と共に、読者の代表として質問する、「先生、教えてください!」という毎日新聞の姿勢を示しています。
ツイッター上でも、さまざまな「なるほドリ」がつぶやいていますが、しゃべり方は使う部によって異なります。特に、しゃべり方が決められているわけではありません。時には、やさしい「なるほドリ」もいるし、難しいことを話す「なるほドリ」もいます。

読者からの質問から生まれたプロフィール

山科 キャラクターの色ですが、黄色にすることは社内のデザイナーが考えました。小さいキャラクターですので、紙面の中で目立つ色にしようと考えたのです。
「なるほドリ」は難しいニュースをやさしく伝えるのがそもそもの使命ですから、中学2年生のような子どもの鳥の立場で世の中を眺めています。
子どもであれば、突拍子もない質問をしても大丈夫ですしね。「今さら聞けない質問」と同じ趣旨です。
小出 「なるほドリ」のポーズは、初めは単純なものでしたが、人気が出ると色んなポーズをした「なるほドリ」が登場するようになりました。そもそもがシンプルなデザインなので、何でも付け加えられますし逆に外せもします。そうした点も社内デザイナーが意識してつくりました。
山科 「なるほドリ」のプロフィールが決まったのは、誕生からかなり遅れて2013年のことです。きっかけとなったのは北海道でのイベントでのこと。「なるほドリ」のぬいぐるみが登場した時です。お客様からの質問コーナーで、「なるほドリ」への質問をたくさんいただきました。「なぜ足が黒いの?」「好きな食べ物はなに?」など。実はそれまではそこまで深く考えたことがなく、改めて関係者で考えることになったのです。
プロフィールに「紅茶が好き」とありますが、それは、このキャラクターを創った社内デザイナーが紅茶が好きだからです。このように、プロフィールにはデザイナーの好みも入っています。

なるほドリ「…何か?」

紙面で目立ちすぎてはダメ、和んでいただきたい

山科 「なるほドリ」は紙面に掲載するためにつくりましたが目立ち過ぎてはだめです。日本語で言うところの「はしやすめ」というか、キャラクターを見てふと和んでいただければいいかなというのが最大の目的です。
小出 「なるほドリ」の年齢が中学2年生という設定です。ですから「なるほドリ」が登場する「質問なるほドリ」コーナーでは、記事中の中学2年生には難しいと思われる漢字にはルビをふるようにしています。そうしたこともあって、他の記事よりもルビが多くなっています。
山科 前述のように「なるほドリ」はぬいぐるみ、着ぐるみをつくって、それをイベントに登場させています。実物はけっこう大きく、小柄な男性か大柄な女性が入るとちょうどいいぐらいです。ぬいぐる見ると子どもは大喜び。間違いなく寄ってきます。そんな人気の「なるほドリ」ですから、ツイッターでも色々話題を発信。ラインのスタンプも2015年5月から販売を開始しました。それから、毎月1回「質問、なるほドリ」に掲載された記事を集めて、「月刊なるほドリ」として読者に送っています。大人の読者にも好評です。
「なるほドリ」は会社の正式なキャラクターではありませんが、正式なキャラクターになろうと努力はしています。

なるほドリ

リオ五輪でも活躍した「なるほドリ」!

山科 最近は社会環境で複雑さが増したためか、新聞記事も内容が難解になる傾向にあります。若い人の中には新聞を「読まない」人も多いようです。だからこそ私たちが、情報を、よりわかりやすく伝えていかなければならない時代でもあるのです。
「質問!なるほドリ」を書くことは、記者にとっても「分かりやすく書く」ことへの絶好の意識付けになっています。そんな紙面では、たとえば、悲しい話や深刻な記事に使う場合は、笑顔でひょうきんな「なるほドリ」ではなく、まじめな表情の「なるほドリ」を掲載するようにしています。
かつて、リオ五輪では「なるほドリ」のピンバッジもつくって持って行きました。各国の新聞社や協賛企業は自社のピンバッジをつくって、交換し合うのが習わしとなっています。毎日新聞はこれまでつくっていなかったので、リオ五輪を契機につくりました。このピンバッジ、一般の方にも販売しています。

なるほドリ「大丈夫!!」

販売店でのイベントなどにも登場!

山科 「なるほドリ」は、毎日新聞の紙面を親しみやすいものにしてくれています。また、新聞紙面のほかにも、毎日新聞が発行する印刷物にも登場することがあります。それから、チラシにも載っていることがあります。
こうたこともあって、毎日新聞の「気さくな新聞社」「やさしい新聞社」というブランドイメージをアピールする上で「なるほドリ」は不可欠の存在になりつつあります。
小出 そういえば、販売店のイベントに出かけるなど、最近では着ぐるみがイベントに出かける回数も増えてきました。
山科 紙面もwebも、私たちにとっては情報を伝えるツールです。「人にやさしい新聞」、毎日新聞のコンセプトを伝える上で、「なるほドリ」は素敵なツールだと思っています。
毎日新聞は非常に気さくな新聞です。最近、読者アンケートを行いましたが、「毎日新聞のイメージは」という問いには、「やさしい」、「柔らかい」という回答が多く寄せられました。そんな毎日新聞を象徴する「なるほドリ」は親しみやすいシンボルのひとつです。

活躍の場が広がる「なるほドリ」にエール!

山科 現在、東京本社のデザイン室で100羽ぐらいの「なるほドリ」のデザインを保管しています。公式キャラクターでもなく、まだ使い方について社内で議論したわけでもないのですが、個人的な希望としては、もっともっと羽ばたいて、地域版の「質問コーナー」などでも、数多くの「なるほドリ」に活躍してもらいたいと考えています。
「なるほドリ」は、いつまでも中学校2年生ですが、私たちは、これからも中学校2年生でも分かるように、やさしく記事を書き続けていきます。近い将来、毎日新聞のホームページにも「なるほドリ」の特設コーナーを設けようと考えています。ご期待ください。

なるほドリ「なるほど」

小出禎樹 毎日新聞社 社長室委員(広報担当)
山科武司 毎日新聞社 社長室 次長